体内のエネルギーの通貨 ”ATP”。人間を含め動物は、呼吸をして酸素O₂を消費し、食べて吸収した有機物(炭水化物、脂肪、タンパク質)を分解し、二酸化炭素CO₂と水H₂Oを発生させエネルギーを放出します。
このエネルギーは、”ATP” という化学物資に移されます。ATPは、”アデノシン三リン酸” の略字です。ATPは充電された電池のようなもので、有機物に含まれるエネルギーを直接ATPのエネルギーに移しかえられます。この電池のエネルギーによって、からだを動かしたり、体内でタンパク質を合成したり、神経に電気を流したり、しているのです。だから、ATPは、からだの中の ”エネルギーの通貨” と呼ばれます。
ATPは、3個あるリン酸を1個切り離し、ADP(アデノシン二リン酸)とリン酸(Pi)とに分解されるとき、エネルギーが放出されます。
有機物と酸素からATPのエネルギーを得るのを ”エネルギー獲得代謝”、ATPを分解してエネルギーを使うのを ”エネルギー利用代謝” と呼びます。この2つの代謝が、絶えず並行して行われることによって、私たちは運動したり、体内の機能を活動させたり、して生命を維持しているのです。
からだを動かすことに直接かかわるのは、筋線維(細胞)です。筋線維は、筋原線維が詰まったサルコメア(筋節)が連結してできています。サルコメアには、太いミオシン・フィラメントと細いアクチンフィラメントというタンパク質が、交互に規則正しく並んでいます。
細胞内にあるATPが分解してエネルギーを放出して、ミオシン・フィラメントとアクチン・フィラメントが滑るように収縮します。ですから、筋肉の長さが長すぎたり、短すぎたりすると、ミオシン・フィラメントとアクチン・フィラメントとの重なり合いが違って、収縮する力に影響します。
たとえば、手のひらでウェイトを持って肘を曲げるとき、肘が伸び過ぎたり、曲げ過ぎたりしていると大きな力を発揮することができません。肘を90°から120°に曲げた状態のとき、最も強い力を発揮できるのです。
同じように、跳び上がる動作でも、膝と腰を曲げ過ぎたり、膝を伸ばし過ぎて腰が高くなったりでは、高く跳ぶことができません。誰でも経験的に知っているように、ちょうどよい角度に膝を曲げた姿勢から跳び上がります。
筋肉が力を発揮するのは、ミオシン・フィラメントとアクチン・フィラメントとが互いに滑り込むようにして行なわれます。実際には、2つのフィラメントが滑り込むように動く場合と、逆に離されないように縮もうと動く場合があります。
前者は手に持ったものを、肘を曲げながら持ち上げる場合で、肘関節屈筋群(主として上腕二頭筋)の短縮性収縮と呼ばれます。後者は手に持ったものを、肘を伸ばしながらゆっくり下ろす場合で、肘関節屈筋群の伸張性収縮と呼ばれます。別に、動かない棒を手に握って肘を曲げようとする場合は、等尺性収縮と呼ばれます。
短縮性収縮の場合は、短くなる速度が速くなると発揮できる力は弱くなります。伸張性収縮の場合は、伸ばされる速度が遅いときは速度が速くなると発揮される力はやや強くなりますが、それ以上速くなると発揮できる力は変わりません。また、等尺性収縮の場合は、曲げようとするときよりも、伸ばされないようにするときのほうが強くなります。
北浦和のスポーツ整体、カイロのボディブラでは、筋トレで疲れた方にも、効果的なメンテナンス・施術を行なっていきます。
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