関節の安定性が低い肩関節では、後方の強い力によって発生する肩関節脱臼が、ラグビー、アメリカンフットボール、柔道などのコンタクトスポーツで多くみられます。
肩関節は一般的に、上腕骨の近位部(首に近い方)にある丸い上腕骨頭と、受け皿である肩甲骨の浅い関節窩とからなる肩甲上腕関節を指します。人間の身体で最も関節可動域が大きいという構造的特徴をもつため、肩関節は骨による構造は浅く、関節包靭帯や筋肉(腱板)で関節周囲は補強されています。しかしスポーツなどによって強い外力が加わると、それが壊れ脱臼しやすい特徴があります。
肩関節脱臼は、肩関節を挙上した状態(手を上げた状態)で後方に力が加わった場合や、後ろから手を引っ張られたり、後方に手をついて転倒したりした場合に、不安定な状態となった上腕骨頭が関節面を滑って脱臼します。その多くは上腕骨頭が身体の前面に移動する前方脱臼です。
初めての脱臼は後方への強い外力によって発生しますが、2回目以降は関節のストッパー構造(骨、靭帯、関節包)の摩耗により、初回よりも弱い外力で脱臼を起こるようになります。この傾向は回を重ねるうちに顕著になり、比較的軽微な外力でも再脱臼(反復性脱臼)しやすくなります。
肩関節脱臼では、急激に発生する疼痛、腫脹、変形、運動制限(ばね様固定)、合併障害として血行障害や神経麻痺(肩や指のしびれ)がみられることもあります。
単純X線撮影では、上腕骨が肩甲骨に重なって見えます。骨折を見逃しやすいため、慎重に確認する必要があります。
肩関節脱臼では、”手で引っ張る”、”重力を利用する”、2つの整復方法があります。脱臼時には痛みをともなっているので、筋緊張が強く、無理な整復操作で骨折を起こすことがあります。
整復後の固定には、三角巾固定、装具固定(内旋)、装具固定(外旋)などさまざまな方法があり、安静のため3週ほど固定を行ないます。どの方法でも再脱臼が一定の割合で発生するので注意が必要です。最近では早期のスポーツ復帰を目的に、関節鏡を用いた最小侵襲手術が行われるようになりました。
肩関節脱臼は、復帰しても再脱臼の可能性があります。脱臼しやすい動き(外転・外旋・伸展)をすると脱臼不安感(”抜けそう”)がある場合には、再脱臼を発症する可能性があります。再発した場合、上腕骨頭の前方への不安定性で脱臼を繰り返すようになり、反復性肩関節脱臼と呼ばれるようになります。
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