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北浦和のスポーツ整体。CSF(脳脊髄液)。

人間の脳は1200~1500gありますが、頭蓋骨の中ではCSF(脳脊髄液)による浮力で50g以下になっています。脳脊髄液は約130mlしかないので、脳が液体の中でプカプカ浮いているというよりも、うっすら液体に覆われている程度になります。

硬い頭蓋骨に覆われた閉鎖空間だからこそ、少ない液体でも脳をカバーすることができているのでしょう。

脳の下部には生命維持に不可欠な脳幹がありますから、もしも浮力が欠如すれば、身体を起こした姿勢を取るだけで脳を下に押し付ける状況をつくることになり、命すら危うくなる可能性もあります。

この130mlの脳脊髄液は常に循環しており、脳の中心近くにある第3脳室の脈絡叢で産生されて、マジャンディー孔・ルシュカ孔と呼ばれる通路から、中枢神経系全体を取り囲む空間へ流れ出て、最終的には静脈系へ吸収される仕組みになっています。

この産生と吸収のペースはダイナミックで、1日に500ml、1分間あたり0.35mlも生産・吸収されています。1日3~4回、総入れ替えしていることになるわけです。

産生・吸収それぞれが増えても減っても、また流れの途中で滞るようなことがあったとしても、脳の機能に影響を及ぼすことになります。

たとえば、脳震盪の後遺症として、脳脊髄液漏出症を患うことがあります。外傷などで中枢神経を覆っている膜が損傷し、脳脊髄液が漏れ出すことで、頭痛や頸部痛、めまい、倦怠感、不眠、記憶障害などのさまざまな症状が現れる疾患です。

また、正常圧水頭症という疾患もあります。こちらは、脳室で生産される脳脊髄液の交通路が狭められるなどの原因で、脳脊髄液がうまく吸収されないような状態が起き、液がどんどん溜まって脳を圧迫していくことになります。その結果、認知症に似た症状や、運動機能の低下、尿意の低下による失禁などの症状が出てきます。

このような疾患からも、私たちの中枢神経系が絶妙な脳脊髄液の量のバランスによって守られているということがわかります。

この脳脊髄液は、物理的に脳を守るだけでなく、化学的にもその成分を安定させるために脳毛細血管内の血液との間で選択的・かつ能動的な輸送による成分の交換をしています(血液脳関門)。

私たちの身体は、普段さまざまな分子を血流に乗せて全身隅々まで届け、また細胞からの老廃物を回収していますが、中枢神経系では、血液脳関門を通り抜けられる物質しか交換できない仕組みになっているわけです。脳震盪のあと、脳実質に受けたダメージの回復に時間がかかるのも、通常の身体組織の物質交換とは別の機序で働いている代謝の仕組みが影響していると考えられそうです。

物理的にも化学的にも特別な ”防御” のシステムを担っているCSF(脳脊髄液)。コップ半分程度の液体に私たちの神経機構が支えられていると思うと不思議な気持ちになります。

北浦和のスポーツ整体、カイロのボディブラでは、体の構造や機能に関する説明や効果的な運動などもお教えしながら、気になる症状への対処や根本的改善を目指し、効果的な施術を行なっていきます。

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