人間の骨格筋内には、運動時の非常に重要なエネルギー源である糖質、筋グリコーゲンが貯蔵されています。この筋グリコーゲンの貯蔵量には限りがあり、マラソンをはじめとする長時間の運動実施によって簡単に枯渇してしまいます。筋グリコーゲンが枯渇すると、筋肉はエネルギーを産み出せなくなり、運動の継続が困難になります。
そこで、マラソンランナーやトライアスリートなどの持久系競技者などは、試合前にあらかじめ筋グリコーゲンの貯蔵量を高めておく、グリコーゲンローディング(カーボローディング)と呼ばれる手法を用い、パフォーマンス向上を図っています。
骨格筋に貯蔵されているグリコーゲンの量には限りがあり、およそ400g、エネルギー換算で約1,600kcal程度と言われています。フルマラソンは1回を走り切るのにおよそ2,500kcal以上もエネルギーを消費すると言われていますから、筋グリコーゲンの貯蔵量がいかに少ないか分かります。
グリコーゲンローディングは、試合の数日前から食事で多くの糖質を摂取し、あらかじめ筋グリコーゲン濃度を高めておくことで運動パフォーマンスの向上を狙うというもの。グリコーゲンローディングを実施することで、筋グリコーゲンの濃度をおよそ2倍近くまで増加させられると言われています。
実際に、運動前の筋グリコーゲン濃度を高くすることで疲労までの時間を延長できることや、グリコーゲンローディングの実施によってランニングのパフォーマンスが向上することも報告されています。パフォーマンスアップ効果を期待して、マラソンランナー、トライアスリート、オープンウォータースイミング選手、あるいはサイクリストなど様々な持久系競技の選手が試合前にグリコーゲンローディング(カーボローディング)を取り入れています。
グリコーゲンローディングには、期間や方法を変化させたいくつかのパターンがあります。
古典的グリコーゲンローディング…一度筋グリコーゲンを大きく減少させることで、その糖質を摂取した際に元々よりも多くのグリコーゲンを筋肉に貯め込むことができる現象(グリコーゲン超回復)を応用し、まず初めの3日間は低糖質+強度の高いトレーニングでグリコーゲンを枯渇させ、3日前から高糖質食を摂取します。
古典法のデメリットとして、グリコーゲンを大幅に減少させるため、初めの3日間は倦怠感、精神的苦痛、睡眠障害、あるいはトレーニングの質の低下などが生じる可能性があると言われています。アスリートにとって負担の大きいこの古典的な方法は、現在ではあまり用いられないことが多いです。
改良型グリコーゲンローディング…試合6日前から3日間それほど糖質を制限しない中糖質食を摂取し、その後試合3日前から高糖質食を摂取するもの。古典的グリコーゲンローディングと比較して負担が少なく、筋グリコーゲンの貯蔵量を高めることができます。
最新型グリコーゲンローディング…試合の2日前からのみ高糖質食を摂取するというもの。よく鍛えられた持久系アスリートの骨格筋は糖を取り込む能力が高く、高糖質食摂取後24時間程度で筋グリコーゲンが最大まで回復するという特性を応用したものです。この手法であれば、試合直前まで普段と変わらない食事を摂ることができるため、改良型よりもさらにアスリートへの負担を減らすことができると考えられています。
北浦和のスポーツ整体では、根本的な原因を探り機能分解することによって筋肉や骨格の動き方の調整を行ないます。
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