「動かないでいると筋肉が減少する」 という研究発表があります。筋力低下の要因としては、一般的にいろいろな要因があげられますが、その中で ”不動による廃用性筋委縮” が考えられます。
動かないで筋が萎縮してしまうなら動けばいい、のですが、実際には動けない状況にあることもあるでしょう。
生理学的に筋委縮の機序がわかれば、運動ができなくても筋量を落とさずに済むような薬剤の開発にもつながるかもしれません。凝り固まった頭が、ググっとストレッチされたような気がしました。
この研究でわかったのは、動かさない筋の細胞内ではカルシウム濃度が低下するということ。動かないとカルシウムを取り込むチャネルが減少し、それによって特定のタンパクが増加し、筋量を減少させるそうです。
筋細胞と言えば、神経-筋接合部でのアセチルコリンのはたらきで活動電位が発生し、細胞内の筋小胞体からカルシウムが放出されることでアクチン・ミオンの連結が起きて収縮に至る、ということで、カルシウムが ”増加する” ことで作用が起こるイメージが強かったのですが、カルシウムが ”低下” することでも変化が起きることを知って、細胞内のイオンバランスの重要性を再認識しました。
体温や血液ガスもそうですが、高すぎても低すぎてもいけない、というのは生きている身体全体の共通項なのかもしれません。
ところで、筋細胞の中、と言われて、すぐに筋細胞の解剖図が頭に浮かぶでしょうか。自分は、思わず教科書を引っ張り出して確認しました。筋細胞は多核で筋原線維で構成されていて、という言葉での説明はすぐに思い起こされるのですが、図として見るとよりわかりやすいと感じました。
筋原線維が集まって筋束…と、まるでマトリョーシカのような構造です。改めて、身体の中の宇宙を覗いたような気持ちになりました。
北浦和のスポーツ整体、カイロのボディブラでは、受傷後スポーツ復帰を目指している方にも、適切な施術、ボディケアを行なっていきます。
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