グロインペイン症候群とは、サッカー選手に多くみられる股関節周辺に痛みが現れる疾患で、鼠径部通症候群と呼ばれることもあります。
症状は鼠径部や下腹部、坐骨部、睾丸部と痛みの現われる場所が人それぞれに違うため、”足の付け根” ”股関節” ”股間の上” ”お尻の下” など、クライアントによって様々な表現のしかたをします。グロインペインの場合は恥骨結合炎や内転筋腱障害、腸腰筋機能障害などを総称してグロインペイン症候群と呼んでいます。
原因はキック動作などによる股関節のオーバーユースや走ったり止まったりといった動作を繰り返し、股関節周りの筋肉に過度なストレスがかかることで起こる疾患です。はじめは、ボールを強く蹴ったり、全力で走るときだけに痛みを感じていたものが、状態が悪くなると歩くだけでも痛くなり、日常生活に支障が出る場合もあります。
グロインペインの本当の原因は鼠径靭帯にあります。鼠径靭帯は腰骨(上前腸骨棘)から恥骨結合を結ぶ靭帯で鼠径靭帯の下には大腰筋や腸骨筋(2つ合わせて腸腰筋と呼びます)、恥骨筋、大腿神経、大腿動静脈、外側大腿皮神経、リンパ節などが通ります。
腹部の側面に外腹斜筋という筋肉が付いています。この外腹斜筋の停止腱膜が鼠径靭帯となって恥骨に付着しているため、外腹斜筋の緊張が鼠径靭帯の緊張も高め鼠径部を圧迫します。
また、他にも腰骨(上前腸骨棘)や恥骨は内転筋群や大腿筋膜張筋といった股関節を動かす筋肉も付着します。これらの筋肉は筋膜によって包まれているので鼠径靭帯の緊張と深い関係があり、鼠径靭帯の緊張が筋膜を介して周りの筋肉の緊張を高めます。
なぜ鼠径靭帯の緊張が高まるのでしょうか。それは日常的な姿勢に問題があります。例えば、座っているときに背中を丸めた猫背の姿勢。背中が丸いことで股関節は ”く”の字に曲がるため鼠径部に圧がかかります。更にいつも同じほうのお尻だけに体重をかけて横に倒れているとその圧は更に高まります。これが外腹斜筋、鼠径靭帯の緊張を高めてしまう原因です。
日頃からこのような姿勢を繰り返し、筋膜に癒着が起き、筋緊張の高くなった状態でボールを蹴ったり、股関節を酷使することがグロインペイン症候群の原因と考えられます。
グロインペインへのアプローチのポイントは筋腱移行部であると北浦和のスポーツ整体では考えています。筋肉の周りには、酸素やタンパク質などの栄養を受け渡したり、老廃物を受け取る間質液が存在しますが、癒着はこの間質液が少なくなることで起こります。ここで重要になるのが、筋肉の中で癒着を起こしやすい部分と起こしにくい部分があるということです。
筋肉の形の一般的なイメージは紡錘形の形を思い浮かべると思いますが、中央の膨らみのある部分を筋腹と呼び、筋肉の両端は腱となって骨に付着しており、この腱の付着部こそが最も癒着の起こりやすいポイントなのです。
筋腹は厚みがあるため、筋肉が伸張されて圧を受けても圧の逃げ場が周りにあるため癒着が起こりにくく、筋肉の付着部はすぐ下に骨があるため圧の逃げ場が少なく、一定圧がその部分にかかり続けることで、次第に間質液は減少し癒着を起こします。
本当にアプローチしなければいけないポイントは筋肉の付着部です。
北浦和のスポーツ整体では、根本的な原因を探り機能分解することによって筋肉や骨格の動き方の調整を行ないます。
北浦和のスポーツ整体、カイロのボディブラでは、いつでもクライアントの健康な生活を第一に考え、気になる症状への対処や根本的改善を目指し、効果的な施術を行なっていきます。
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