頭部の動きを考えるとき、頚椎の動きを無視することはできません。頭部には、視覚や聴覚・平衡感覚など周囲の環境を把握するための器官が集まっていますが、頭部そのものには運動する機能がないからです。
私たちが移動や運動をする際には、頭部の感覚器官を有効に使うために、必ず頚椎の動きを利用しているわけです。
頚椎は、胸椎や腰椎と比較して大きな可動域を持っており、その中でも、環椎と呼ばれる第1頚椎と、軸椎と呼ばれている第2頚椎にある関節”環軸関節”で、頚椎の回旋運動の半分を担っています。
そして、後頭骨に付いている後頭下筋群(大後頭直筋、小後頭直筋、下頭斜筋、上頭斜筋)は、環椎と軸椎を結ぶ最深層にある筋群で、頭部を動かすためのコントロールを行なっています。
この後頭下筋群のうち、大後頭直筋、小後頭直筋、下頭斜筋は、筋硬膜橋によって脊髄硬膜と接続しています。この筋硬膜橋は、椎骨硬膜と融合して脊髄硬膜と接続し、脊髄硬膜の破裂防止や、脳脊髄液の正常な流動の保証、頭部の位置調整のための感覚伝達、などの役割が考えられており、頚原性頭痛とも関連があるのではないかと言われているそうです。つまり、後頭下筋群の動きそのものが脊髄を包む硬膜に物理的・神経的に作用する可能性がある、ということです。
後頭下筋群は、パソコン作業などで視線を固定し続けると、頭部を動かさないようにするために緊張が高まることが多い筋群です。後頭部の乳様突起のやや内側あたりがちょうど後頭下筋群周辺になりますが、ここを指腹で触りながら頭を左右へ回旋させるように動かしてみると、環椎の動きがわかるとともに、普段緊張している周辺の筋が緩むような感覚を得ることができます。いかに普段この部分を動かしていないか、を実感できる瞬間でもあります。
あまり意識することはないかもしれませんが、この部分の筋が頚椎のさらに奥の硬膜にまで接続しており、脳脊髄液の流動性にも関わっているかと思うと、一定の姿勢で作業を続け、動かずにいる、ということの影響を考えざるを得ません。
北浦和のスポーツ整体では、根本的な原因を探り機能分解することによって筋肉や骨格の動き方の調整を行ないます。
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