腰椎分離症とは腰椎の後方部分に起こる疲労骨折のことで、成長期のスポーツ選手に多発します。腰椎後屈時や回旋時に腰痛が生じ、競技に大きな支障を来たすことになります。1回の外力で起こるわけではなく、スポーツ活動の中で繰り返しジャンプしたり、腰を捻ったり(回旋)することで腰椎椎弓の関節突起間部に亀裂が入って疲労骨折となります。
多くの場合、体が硬いことが多く、ハムストリングや大腿四頭筋のタイトネスのため骨盤の柔軟性が低下し、その分、下位腰椎部にかかる負担が大きくなり疲労骨折が生じます。そのため、下肢ストレッチを行なうことで体を柔らかくすることが予防につながります。特にハムストリングのストレッチが重要となります。
分離初期の症状として多いのは腰部から大腿部にかけての放散痛を伴なう腰痛で、疲労骨折そのものによる痛みと考えられます。初期の腰痛は軽度であることが多く、安静にすることで軽快し、スポーツ中以外の日常生活の動作では支障がないため、医療機関を受診しないことが多いのです。
進行期になり、腰痛が繰り返し生じるようになってようやく受診することが多く、初期での早期発見は容易ではありません。終末期になると腰痛は軽減し、特に支障なく日常生活も可能ですが、分離部周囲に滑膜炎が起こると腰痛が発生します。
また、骨が未成熟であるほど椎体のすべりが発生し、進行しやすくなることが分かっています。分離すべり症に発展すると、腰痛だけでなく下肢の痛みやしびれなどの神経根症状も併発することがあります。
ただし、同じ腰椎分離症でも一生大きな問題もなく過ごす患者がいる一方でで、腰痛に悩まされてスポーツや仕事に支障が出る患者、さらには日常生活にも腰痛や下肢痛が出て、若くして手術を必要とする患者まで幅が広く、症状の程度は異なってきます。
成長期のスポーツ選手が腰痛を訴えた場合、まず腰椎分離症を疑う必要があります。該当する腰椎の棘突起部分の圧痛、腰椎後屈と腰椎回旋による痛みの発生が重要となります。画像診断では、最も感度がよいのはMRI検査で、初期の分離症を検出することができます。
腰椎分離症に対する保存療法のゴールは、その病期により2つに分かれます。初期と進行期はまだ骨癒合の可能性があるため、硬性コルセット装着により骨癒合を目指します。骨癒合を得るためには、初期は3カ月、進行期は6カ月程度のスポーツ休止とコルセット装着期間が必要です。
一方、終末期は偽関節部の骨癒合の可能性はないため、疼痛コントロールを得て、”痛くない分離症と共存する”ことが最終目標となります。運動中に伸展防止のコルセットを装着させ分離部の滑膜炎の抗炎症作用に期待します。
手術には、神経の圧迫を除去する椎弓切除や、分離部の骨を癒合させて正常な状態にする分離部修復、さらに二次的な変性や神経障害が進行している場合には、やむなくひとつ下の椎体との間を固定する後方椎体間固定などの方法をとります。
スポーツ休止の3~6カ月間は、ハムストリングのストレッチを中心とした下肢ストレッチを十分に行なうことが重要です。また同時に腹筋・背筋を強化して、体幹の安定性を確保しておきます。このリハビリテーションによって、再発するリスクを軽減します。
北浦和のスポーツ整体、カイロのボディブラでは、受傷後スポーツ復帰を目指している方にも、適切な施術、ボディケアを行なっていきます。
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